笑いも編集してしまう松岡氏
笑わせようと思って来たんじゃないよと前置きしながらモンティパイソンのコント、チャップリンや寅さんのワンシーンなどを解説つきで見せる松岡氏。場内は何度も笑いで包まれた。笑いとは、擬装、模倣、リフレイン、ジェスチャーなどによるもので、そこに何らかのズレや、イレギュラーさを感じたときに生じるものだという。だから、元を知っていないと笑えない、という真理に会場中が頷いた。
話は笑いをベースに物語の歴史にまで及び、ギリシア神話も寅さんも英雄がでてくる物語は、旅立ち、出会い、そして帰る、という流れがある。また、悲劇も喜劇もアナロギア(推理)、ミメーシス(模倣)、パロディアという3要素でできているという。そして日本の笑いの原型はそれらをそぎ落とした狂言であると結んだ。笑いと物語という世界が、深く、そして広がってゆき、続きをもっと聞かせて、という焦燥感で終わった。(坂)
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