胸躍らせる鼓と笛の音で幕が開けた。
まっさらなコングレスキットを手にした参加者たちがホールに集う。15時10分すべてのプログラムに先がけてセレモニーがはじまった。演目は日本が誇る世界無形遺産である能の名作「道成寺(どうじょうじ)」の演奏。暗がりのステージには衣装をまとった小鼓、大鼓、太鼓、笛の4人演奏家が列座。客席からはフラッシュがたかれる。各鼓のソロに絡まるように笛の音が高らかに響く。「いよぉ〜」「おぉ〜」と発せられる迫力ある歌声。やがて演奏は軽やかにテンポを早め、リズミカルな4人の重奏でクライマックスを迎えた。これからはじまろうとするクリエイティブな会議への胸の高鳴りを誘うものだった。囃子方たちの終始前を直視するその姿は凛々しく堂々たるものだった。演奏後舞台に立った司会の残間里江子氏によれば、今回の演目は各囃子の特徴ある部分を活かして誰もが楽しめるようにアレンジされたものだという。(池)
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