チョー・ハイジョン(韓)、キム・ナミ(韓)

やってやろうじゃんハジャセンター

1999年にチョー氏によって創設された韓国のハジャセンターは、デザインや市民文化など多くのプロジェクトを通して、遊んで学べる文化の工場である。
急速な進歩をとげた大量生産の社会は、無気力で無関心で、全てに受け身の若者を生み出した。学校、親、商業社会の抑圧を受けている若者に今必要なのは、それぞれの個性に合わせた、脱大量生産の教育なのである。若者の危機は、人類全体にとっての危機。若者に「ハジャ」の意味である「やってやろうじゃん」という気を起こさせることこそがハジャセンターの挑戦なのだ。
第一期生のキム氏も学校制度に疑問を感じ、ハジャセンターに通うことで、デザインというやりたいことを見つけた。今、未来を見つめる彼女の目は輝いている。
教育とは一方的に教えることではなく、共に学ぶこと。またそうした人材を見つけることが最も重要な課題になっている。チョー氏の活動は、まだ小さな一歩だが、次世代を作りだす無限の可能性を秘めている。(櫻)

[ライター] 池端宏介/是方法光/坂本順子/紫牟田伸子/長谷川直子/久永理/武藤櫻子/吉岡奈穂/Maggie Hohle/Brian Palmer, Jacque Lange(ICOGRADA)/Nicole Rechia/Trysh Wahlig/Gitte Waldman/Robert Zolna
[撮影] 浅井美光/勝田安彦/水谷文彦