世界を圧倒する日、その近さの予感
スピーカーの一人、ワン氏は「我々5人はこの短い時間の中で、困難だが重大な任務を帯びている」と言ったが、セッションを終えての感想は「とてつもない広さ、長さ、厚み、多様性」であった。学際的立場のハン氏(北京)は中国の漢字学「六書」を概説。漢字というメディアが複数の感覚、抽象的な思考を組み込んでおり、そこから発展する中国デザインの特徴を解説。広州のAD、グォ氏は宋時代の木版画をモチーフにした切手等、古来のモチーフを使いながら極めてモダンな印象の自作を紹介。文化を国際的プラットフォームに載せていく新世代の姿が見えた。デザインコンサルタントのチャン氏は、街中に広がるグラフィックを批評的に紹介、広州デザイン界を一望したような印象。世界の企業が集まり、経済発展を目覚ましい上海商業デザイン界から来たシャオ氏は、企業と人を対話させるツールとしてのデザインを訴えた。「移民の都市では、自らの文化を掴んでこそ生きていける」と語り、異文化ミックスのライフスタイルの実例を見せた。上海の日系デザイン企業の代表であるワン氏は、日中の漢字に対する審美眼の違いを解説、中国デザインの中での「文字」が締める比重の大きさを教えてくれた。タイトルどおり中国のデザインともども、まさに疾走!のセッションだった。(長)
|