今いる現実、別の現実
わけがわからなくなる。ゴーストのよう。舞台に立った講演者も、ゲストも、聴衆も、そんな感想を口にする不思議な講演。相当数の機材が並ぶ会場で、並行して存在する複数の現実=パラレル・リアリティの世界を体感した。
会場を大いに盛り上げたのが、視聴覚交換マシンを使ったトランプ。互いに相手の視点からの映像しか見ることができないゴーグルをした状態でジジヌキをする。自分のカードがペアになったかを相手に教えてもらわなければならないという、なんとも滑稽なルールが適用される。
ゲストとして登場した石井威望東京大学名誉教授は、パラレル・リアリティの概念について説明した後、感性領域におけるパラレル・リアリティ=「未来心理」の考え方を提示。ライト兄弟が着陸のことまで考えて飛行機を設計したように、未来をイメージできる感性を体得してくださいと語った。
テクノロジーの進歩によって、パラレル・リアリティ化していく日常。われわれが自身の脳を拡張して、その未知なる世界にコネクトしていかなければ、それはゴーストであり続けるだろう。あなたが思っているリアル、本物ですか?(久)
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