この4日間に生きた言葉をお持ち帰り
「情報の美」というテーマの山の頂きに向かって「分かりやすさ」「独創性」「笑い」という3本のアプローチルートを登ってきた4日間。向井氏は4日間で収集したキーワードをリンク。言葉の星座の図をつくって見せた。まるで山頂「情報の美」からデザインの夜空を眺めてみたように、浮かび上がったのは3つのワードだ。ひとつは溢れる情報、意味の多義性、現代社会の多元性などを象徴する「多」。そして模倣やなぞらえること、パロディなどの要素を包括する「擬」。最後に、生きる、生まれる(生まれ変わる)という命にまつわる「生」。そして各セッションで繰り広げられた刺激的な議論や問題提起を横軸でリンクして見えてきたワードが「身ぶり」だった。向井氏は複雑な世界を一つの概念で統合して語ることの模索がはじまっているとした。「身ぶり」は情報伝達のコミュニケーション。加えて向井氏は「身ぶり」を原義から解説した。それは個人や民族を超えて共有してきた生命の動き。それは一種のリズムでありふるまい。さらに身ごもるという意味も含む。つまり新しい命の誕生。クリエイティブ活動としてのデザインの原形がその意味の奥深くにある。情報は意味をクリアにし、デザインは生きる。そこに情報の美がある。(池)
|