シアム・アタリヤ(タイ)、プラセウス・バンチョンファクディ(ラオス)、ウィリアム・ハラルド・ウォン(マレーシア)、カン・タイクン(香)、ファーム・フェン・キョウ(ベトナム)、フリーマン・ロー(香)、イ・セヨン(韓)、エイペックス・リン(台)、イルヴァン・ノイマン(インドネシア)、スディール・シャルマ(印)、テレサ・ヨン(シンガポール)

VISUALOGUE最多、11人の熱き165分

椅子が片付けられた会場は、座布団が敷き詰められたアジアらしい「座」のスタイル。しかも一つ一つにお菓子、小かご、木工細工など各国からのお土産が置いてあるという嬉しい驚きが付いていた。パネリストはアジア10ヶ国から11人が参加。全講演中で最多人数を誇り、最終日に相応しい熱気に満ちていた。プレゼンテーションは各国ごとにビデオを上映するというもの。民族衣装、食事、家、街など独特の文化と、その中で育ってきたデザインが次々と紹介される。「欧米の影響を強く受けている」「充分な資料がない」などの言葉も出ていたが、すべての作品は難しい意味付けをする必要がないほど力強いアジアのパワーを放っていた。ビジュアルに無駄な論理がなく、色づかいに気取りがない。特に赤系を中心とする明るい色が印象的だった。文化は過去のものではなく、今生きている。デザインはその意味を曲げずに、新しさを生み出す手段であるというパネラーの言葉どおり、今後も伝統を大切にし、影響を受合いながら独自の美学が高まることに期待したい。(吉)

[ライター] 池端宏介/是方法光/坂本順子/紫牟田伸子/長谷川直子/久永理/武藤櫻子/吉岡菜穂/Maggie Hohle/Helmut Langer/Nicole Rechia/Andreas Schneider/Trysh Wahlig/Gitte Waldman/Robert Zolna
[撮影] 浅井美光/勝田安彦/水谷文彦